なら燈花会2009ガイドブック
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
采女の悲しい伝説が残る猿沢池。ほたるが寂しげに青く輝き、水面に写るろうそくの灯りは、 嘆く采女を慰めるようにゆらゆらと揺れる。その風景は、時の流れを忘れてしまうほどに緩やか で美しく、悲しい伝説を鮮やかに蘇らせる。ろうそくの灯りの向こうに、大切な人の面影を浮か べながら、池のほとりで思い思いの時を過ごす。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~20時30分
やわらかな灯りに照らされた北参道は、凛とした空気が漂う。その先に浮かび上がる、東金堂 と五重塔。ろうそくの灯りを添えられた、その厳かな雰囲気は、荘厳で神秘的な美しさを際立た せる。そして、国宝館へと続くほの灯り、昼間とは違った表情の仏様にお会いできる。 安らかなひととき。。。。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
黄金色に輝く浮見堂、鶯池を縁どるろうそくの灯り。それを鮮やかに映し出す水面に漂う小舟 。それはまさに、星の林を漕ぎ進む月の舟。万葉の歌人が夜空を仰いで思い浮かべた天上の世界 が今、水の庭から色鮮やかに蘇る。小舟に揺られながら、今少しの間、天上の住人に。。。。。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
竹灯りに導かれ、一歩足を踏み入れると、幻想的に浮かび上がる浅茅ヶ原。竹のオブジェの間 にちりばめられたろうそくの灯りが、生い茂る木々の陰影の美しさを際立たせる。漆黒の間から 灯りに誘われ、いにしえの人々がふらりと現れるのではないか。思わず灯りの中に佇みながら、 古代の人を待ちこがれる。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
一面に広がるろうそくの灯りは、地上に描いた天の川。暗闇の中で瞬きながらきらめき続け、 まるで夜空に輝く星々のよう。一年に一度会うことが許されている牽牛と織女の物語を思い出す 。ひとつひとつの灯りに願いを込めて灯していけば、きっと叶うはず。この夏、大切な誰かと天 の川を渡ってみませんか。。。。。。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
沈みゆく夕日と、その光に照らされ金色に輝く東大寺大仏殿の鴟尾(しび)が絶景。赤く染ま った空が深い青色変わるころ、東大寺と若草山の幻想的なライトアップの前に広がるのは、なら 燈花会最大の灯りの花畑。まるで時間をも越えて永遠に続くような灯りの数々は、やがてこの古 都の壮大な歴史を浮かび上がらせる。。。。。。。
期間 8月5日(水)~14日(金) 点灯時間19時~21時45分
人々が添える一燈一燈が加わることに、雲は晴れ、月は静かな力強さを増していく。そばに 佇む洋館は、まるで月灯りを楽しむように、美しく輝くその姿を木陰に隠し、月を見守る。空を 見上げ、心からの親しみを込めて「お月様」と呼んだあの頃を思い出し、しばし月灯りに包まれ る。
期間 8月14日(金) 点灯時間19時~21時45分
尊い大神が鎮座する国、大和。参道を一歩一歩踏みしめる度に、ぴんと張りつめた空気が体を 覆い、大和の神の存在を実感する。万燈籠とろうそくの灯りに照らされた社が暗闇から浮かび上 がり、思わず息をのむ。穢れを一切寄せ付けず、朱に輝くその美しい姿は、尊い大神にふさわし い。
期間 8月13日(木)・14日(金) 点灯時間19時~21時45分
聖武天皇が生涯をかけて建立した東大寺。盧舎那仏の供養には、15000もの燈火が灯され たという。燈火の灯りの中で、天皇は、そして人々は心から平和を願ったに違いない。千年以上 の時を超え、私達は天平の人々と同じ願いを託し、ろうそくのひとつひとつに火を灯す。
参考資料 なら燈花会2009公式ガイドブック