山の辺の道(万葉歌碑) 11~15編

 桧原神社周辺に5つの歌碑が集中していました。
今回の山の辺の道の散策は、桧原神社から箸墓古墳に向かい
大神神社の大鳥居の駐車場までのルートでしたので、一旦
打ち切りとなります。
 山の辺の道の万葉歌碑は26個案内されていますので、
残りの11個は次回の散策になります。
万葉歌碑は、仏教伝来の地~景行天皇陵までにありますので
年始草々にでも周れればと思っています。 乞うご期待!


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古の人の植ゑけむ杉が枝に
霞たなびく春は来ぬらし

巻名/巻10~1814
作者/柿本人麿
筆者/徳川宗敬
場所/桧原神社

昔の人が植えたという杉の枝に霞がたなびいていることだ。
春はやって来たに違いない。


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いにしへにありけむ人もわが如か
三輪の桧原にかざし折りけむ

巻名/巻7~1118
作者/柿本人麿
筆者/吉田富三
場所/井寺池

昔の人も、私が今するように、この三輪の桧原で髪挿を
折ったことだろうか。


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大和は国のまほろばたたなづく
青垣山ごもれる大和し美し

巻名/古事記
作者/倭建命
筆者/川端康成
場所/井寺池付近

大和は国の中で一番良いところである。幾重にもかさなりあった
青い垣根のような山やまにかこまれた大和はほんとうにうるわしい
ところであります。


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かぐ山は畝火ををしと耳成と相あらそひき
神代よりかくなるらしいにしへも
しかなれこそうつせみもつまをあらそふらしき

巻名/巻1~13
作者/天智天皇
筆者/入江秦吉
場所/井寺池付近

大和三山の香具山、畝傍山耳成山の間には、古い伝来に見られる
ような男女の間のいりこみがあって、一人の女性を二人の男性が
嬬争いをしたという。こうしたことは、神代の頃にもあったらしい。


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三諸は人の守る山本辺はあしび花咲き
末辺は椿花咲くうらぐはし山ぞ泣く見守る山

巻名/巻13~3222
作者/作者未詳
筆者/久松潜一
場所/井寺池付近

三諸山(三輪山)は人がみだりに立ち入ることなく、大切に一木一草
を守ってきている山である。この山の麓のほうには、馬酔木の花が咲き
、山頂のほうには、椿の花が咲くのである。この山は、ほんとうに心の
底から美しく感じられる山、泣く子の気持ちを静めるように、あれこれ
と気をつかって、守り大切にしている山であるよ。


撮影日 2007年12月10日(月)