山の辺の道 (万葉歌碑) 6~10編
⑥
うま酒三輪の祝(社)の山照らす
三室の山はもみぢしにけり
うま酒三輪の祝(社)の山照らす
三室の山はもみぢしにけり
三輪神社のある山を、照らすばかりに色づいた秋のもみじの
散ることの惜しまれることよ。
散ることの惜しまれることよ。
大和は国の中で一番良いところである。幾重にもかさなりあった
青い垣根のような山やまにかこまれた大和はほんとうにうるわしい
ところであります。
青い垣根のような山やまにかこまれた大和はほんとうにうるわしい
ところであります。
⑧
狭井河よ雲立ちわたり畝火山
木の葉騒ぎぬ風吹かむとす
狭井河よ雲立ちわたり畝火山
木の葉騒ぎぬ風吹かむとす
⑨
あし原のしけしき小屋にすがだヽみ
いやさや敷きてわが二人寝し
あし原のしけしき小屋にすがだヽみ
いやさや敷きてわが二人寝し
葦のいっぱい生えた原の粗末な小屋で、管で編んだ敷物を
すがすがしく幾枚も敷いて、私たち二人は寝たことだったね。
すがすがしく幾枚も敷いて、私たち二人は寝たことだったね。
⑩
山吹の立ちしげみたる山清水
酌みに行かめど道の知らなく
山吹の立ちしげみたる山清水
酌みに行かめど道の知らなく
十市皇女の葬ってある墓地のあたりには、黄色い山吹に取り
囲まれた山の清水がある。それを汲むために、皇女の御霊は
通っておられるだろう。行って逢いたいなと思うが、その道
を知らないのでどうすることもできない。
囲まれた山の清水がある。それを汲むために、皇女の御霊は
通っておられるだろう。行って逢いたいなと思うが、その道
を知らないのでどうすることもできない。
撮影日 2007年12月10日(月)