春日若宮おん祭 その1

遷幸の儀(せんこうのぎ)

 《午前0時》
●若宮本殿よりお旅所へ

 若宮様をお旅所へお遷し申しあげる神秘の行事。写真撮影は禁止です。
 
 若宮神を本殿よりお旅所の行宮(あんぐう)へと深夜お遷しする行事であり、古来より神秘とされている。現在も参道は皆灯火を滅して謹慎し、参列する者も写真はもちろん、懐中電灯を点すことすら許されない。これらはすべて浄闇の中で執り行われることとなっている。神霊をお遷しするには、当祭においては大変古式の作法が伝えられ、榊の枝を以て神霊を十重二十重にお囲みして、お遷しするという他に例を見ないものである。全員が口々に間断なく「ヲー、ヲー」という警蹕(みさき)の声を発する。又、楽人たちが道楽(みちがく)の慶雲楽(きょううんらく)を奏で、お供をする。

                                  【春日大社HPより抜粋】

 行宮には参加せず、お旅所でいい撮影スポットに三脚を立てて待つことにしました。
 待つこと30分くらいでしょうか、大勢の方が「ヲーーーー」と叫び、暗闇の中から松明の炎と共に見えてきます。先頭の2本の松明は引き摺られ、松明から落とされる二筋の火の粉が道の明りとして浮かび上がります。 この後に多くの傘を持つ者に囲まれて、若宮神が通り過ぎるのですが、暗闇でどういうものなのか、わかりませんでした。 ただすごく神秘的で、ふと『千と千尋の神隠し』の一コマを見てるような気になりましたよ。

 若宮神のあとは、楽人、神職、信者の方々とつづき、最後尾は一般参列者となります。

遷幸の儀は秘儀なので、撮影禁止です。 だから写真はないのですが、神聖な儀式だという実感が強く感じます。是非皆様も行宮に参列され、自分の目で見られるといいと思いますよ。

暁祭(あかつきさい)
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 鼉太鼓が東西に置かれていました。西は『月』を東は『太陽』を現しています。

 天気がよくなく、何度か小雨が降る始末。鼉太鼓はこのあと全面にカバーが覆われました。

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 若宮神が来る直前に、鼉太鼓の太鼓部分のカバーは外されましたが、すぐにまたカバーをかけられまし

た。

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 奥にある社が、若宮神が入る御旅所の仮宮です。 若宮神が入ると、提灯が灯されます。

 今は、まだお入りになっていない状態です。


 《午前1時》
●於 春日野お旅所

 お旅所へお遷りの若宮様に朝の御饌をお供えし神楽を奉納する
 
 満天の星空のもと寒気が一入身にしみる午前1時、庭燎に火が入って暁祭がおごそかに執行される。  遷幸の儀の際、行宮の前には神を迎えた事を示す植松(うえまつ)が立てられ、ご殿の中央には瓜灯籠が幽かな光を投げかけているその神前には、海川山野の品々が献じられる。続いて旧祢宜大宮家より古式による「素合の御供(すごのごく)」が奉られ、そして、宮司祝詞に続いて社伝神楽が奏せられる。
 清らかな歌声と鼓や笛の音が春日野に静かに鳴りわたっていく。

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本来の宵之御供の復興
 現在宵宮祭で献じられる神饌は丸物神饌で、本来のものは勅祭「春日祭」の御戸開ノ儀で献じられる高杯4本立の「八種神饌」であった。平成15年より復興された。
                                   【春日大社HPより抜粋】


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 若宮神が入り、提灯が灯されています。入場されますと撮影禁止も解除されます。

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 山の幸、海の幸など、たくさんのお供え物を献上します。

 動きがあるので、内臓のストロボ撮影となりました。 鯛が献上されていますね。

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  神事が続きます。 このあと采女による『舞』が行われるのですが、小雨のせいでしょうか?

 真後ろのテントからの舞となりました。
 
 完全に誤算ですね。 後ろに振り向くこともできず、一枚も写真に残すことができませんでした。

 そういえば、昨年までは芝生の舞台に屋根が付いていましたが、今年はなかったですよね。

本殿祭(ほんでんさい)

《午前9時》
 ●於 春日大社本社若宮

 若宮おん祭の無事斎行を祈る祭典
 
 古くは「御留守事(おるすごと)」と申し上げ春日大宮若宮へ「御留守事の神供」を奉る行事で相嘗祭(あいなめさい)に相当する。
                                  【春日大社HPより抜粋】

 
 はじめて行く、春日若宮おん祭。仕事を調整して行くことができました。

 16日の10時30分に家を出て、春日大社の駐車場に向かったのですが、閉められており20分ほど

車を停めるところを探すことに。 強引ですが、ご迷惑を掛けることもないので食事処の駐車場に停めさ

せて頂き、お旅所へ直行です。

 冷え込みは緩く、寒さを感じなかったのですが、天気は今にも振り出しそうな様子。

 ちょうど若宮神がお旅所に着く頃、パラパラと振り出しましたが、小雨程度で済みゆっくり見ることが

できました。

 この日は車中泊も視野に入れ、寝袋・毛布・カイロ・おやつ・ウォークマン・朝食・お湯・コーヒーな

ど持ち込んで行ったのですが。。。。ははは、家恋しく3時頃に帰途に着きました。

 お陰で、9時からの本殿祭には行けず、12時からのお渡り式から再び見に行くことに。

 
 お渡り式・南大門交名の儀・松の下式・競馬・稚児流鏑馬・お旅所祭は次で紹介しますね。



 

■撮影日  2008年12月17日(水)