今里 蛇巻き 準備編
~ ~ 今里の蛇巻き ~ ~
田原本町の今里、杵築神社では毎年6月第一「日曜日」に、その年の当屋9件が中心となり前年11月頃より作付した裸麦を刈り取り、新麦ワラで作った長さ約18メートルの「蛇」を、村の氏神様境内で蛇に型どった蛇型を作り、「頭持ち」が、それを担いで村中全戸をお目出とうのかけ声で練り歩く。通称「今
里の蛇巻き」が賑やかに行われる。この行事は農作物の豊饒を祈ると共に、男の子の成人を祝う農耕儀礼であるが、男の子達にとっては、これからの長い人生で大人の仲間入りをすると共に、将来自分の
昭和58年12月27日「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された。「蛇巻」の日が来ると村中、男性も女性も何か胸を躍らせ沸き立つものである。村の人達はわしらの若い時にはと経験や思い出話に花を咲かせて稽古する。「頭持ち」今里に在住していて満12~15歳の男子を頭持ちと言う昔から女性はこの祭りには直接参加していないが当屋に順番が回ってくると女性の人達の独断場で頭持ちの食事準備、煮炊き等こまかな世話を引き受けている。
「当屋」送り当屋・本当屋・向い当屋の各3戸づつ合計9戸で本神事行事を行うが、この当屋は3年間
を区切り1年ずつ交代で村中全戸を順番で廻り当屋を勤める。当屋は「蛇巻」行事用の麦藁作りから麦藁の蛇型作り‐祭典‐祭典用のお供え物‐村内巡行‐榎の大木に「蛇」の巻き上げ迄総ての準備と作業を執り行う。その中心は「本当屋」である。「蛇」を担いで村内を練り歩くのも本当屋の責任で廻る。「蛇」
は村内を巡行する途中で暴れ出し誰彼無しに見物客を蛇に巻き込むが現代の道路は完全に舗装されているが不思議と怪我をする人は無い。蛇に巻かれた場合その一年は無事息災に過ごせると言うがなかなか巻かれると言うのは少々勇気が必要である。最近は近郷近在から歴史愛好家、大学生、一般の人達の見物客で大変な賑わいを見せる。村内巡行が終わると氏神様横の祠「八代竜王」さんの榎木の
差し込んだりする。祠「八大龍王」さんの前に、頭持ちの作った絵馬(牛と馬)・農耕用具の小模型と洗い込め‐水‐塩‐スルメを三方に盛って酒一升を当屋が負担してお供えする。
「頭持‐当屋」全員で村の平和と繁栄を祈り今日の蛇巻き神事行事の無事終了を感謝しお礼を申し上げて最終の祭典をする。その後直会して蛇巻神事行事を打ち上げる。
「頭持」が村内の希望される各家から集めた「お金300円」で当屋が賄った蒸した米、チシャのおひたし、鯖ジャコを配布する。この食べものの様式‐味付けは古来から伝わった物で、今後もこのままで続けられると思われるが、現代の食事情では馴染みにくい点も出てきている様にも思われる。しかしこの食べ物は誠にヘルシーで健康食として非常に重宝がられている。ワカメの味噌煮も当屋が、もち米のスエでワカメをくくり味噌で味付けする、この形も蛇を型どったと言われるが、人それぞれに伝わり方、経験等
に違いがあり詳細な事はわからない。
【現地で頂いた説明文を転記】
午前9時半頃、鍵の八坂神社に到着。 鍵では蛇の頭を作っている最中でした。
蛇が祀られる『はったはん』と呼ばれる地点と、今里の杵築神社の場所確認のため寄ってみると
今里では藁と縄が片隅に置いてあるだけで、誰も集まっていなかった。
鍵の蛇巻きが休憩に入る14時頃、今里の蛇作りが行われると聞きブロ友さん達と向かう事に♪
今里ではちょうど蛇の頭が完成したところで、今から胴体をつくる作業でした。
今里の子供たちも、蛇作りに真剣な眼差しで作業にかかっています。
大人達は、力いっぱい縄を編み込みます。
2本の縄ができると、全員で2本の縄を1本に、掛け声とともに編み込まれます。
15時40分頃完成~♪ この蛇の長さは18mと決まっています。
このあと満12~15歳の男子が蛇の頭を持ち、今里大字の100件程の家を訪ねます。
練り歩く記事は分けて掲載しますね。
鍵の蛇巻きでも見た、農機具のミニチュア。 こちらの方が作業は細かい。