極楽寺
この寺の一番の見どころではないでしょうか。すごく山寺の雰囲気が出ているんですよね。
この古道で唯一、最大の登り道。杉林で薄暗く、坂もキツイのでゆっくり、ゆっくり登るといいです。 登りきれば、橋本院の庭に出て視界も一気に広がりますよ。
集落の名前にもなっている浄土宗知恩院派の極楽寺は、天暦5年(951)に興福寺で名僧の誉れ高かった一和(いちわ)僧が開いた寺と伝えられています。そして、鎌倉後期の林阿上人によって中興されましたが、慶長19年(1614)に建物と古文書を焼失しました。 極楽寺伝によると今から約700年前、佐田村に隠れ住んでいた北面の武士の十河図書行光という人が金剛山に分けて入って狩をしましたが、その日は一つも獲物が獲れませんでした。夕方になってようやく一頭の鹿を見つけ、矢を放とうとしたところ鹿を見失ってしまいました。そこに行者が現れ、生命の大切さ、仏の教えの尊さを教え、如来の姿を描いた一巻の巻物を与えて姿を消しました。驚いた行光が目を上げると、はるか西方の雲の上に行者の姿がありました。行光は感激し、拝むと鉦(拝むときにたたく金)が落ちていました。この不思議な出来事に感激した行光は頭をそって出家し、授かった巻物を自宅に祀りました。この仏様の画像を天得如来といいます。それから20年後、夢のお告げを受けた行光は天得如来を極楽寺に祀りました。 寺宝には天徳如来像図があり、毎年4月15日には、この天徳如来の法要が営まれます。 【御所市観光ガイドより転載】
■撮影日 2008年2月5日(火)